家庭で洗えるダウンジャケットが登場したときは、画期的だと感じた人は多かったことでしょう。
それまではダウンジャケットはドライクリーニングに出すしかなく、数千円ものクリーニング代がかかることが当たり前だったからです。
きれいにして片づけ、来年も着られるようにするためには仕方ないとはいえ、このクリーニング代がイタイと感じていた人は多かったのではないでしょうか。
家の洗濯機で丸ごと洗ってしまえるダウンジャケットが登場したときにたくさんの人が買い求めたことからも、クリーニング代を負担に感じていた人がいかに多かったかがわかります。
洗えるとはいえ注意が必要
洗えるダウンジャケットは大ヒットし、瞬く間にたくさんのアパレルメーカーが同じような洗えるダウンジャケットを発売し始め、今やダウンジャケットは家で洗えるアウターという認識に変わりつつあります。
しかしながら、実際に洗濯をした人の中には、洗えるといってもやはり家ではきれいに仕上がらないという声も多く聞かれたのが実情です。
洗ったところ、買ったときと比べてダウンがぺったんこになり、生地の間に隙間が出来ているのがわかるという人がかなりでたからです。
自宅で洗えるとはいえ、本当はクリーニングに出すのがベストですということなのかと捉えた人も少なくなかったのですが、メーカーがもっとしっかりやらなくてはならなかったのは、どのように洗ったら買ったときのふんわり感がまた戻せるかということの説明だったといえます。
この洗い方に対する注意喚起が乏しかったことが、洗えるダウンジャケットのはずなのに、洗ったらだめになってしまった人が続出した最大の理由です。
最大の重要点は洗った後にあった
クリーニングに出した場合でも、ドライと洗濯表示がされていながら、実際には水洗いがされていることはあまり知られていません。ただ、クリーニングに出したらふっくらとして戻ってくるのは、洗った後の乾燥がしっかりしているからです。
これを家で洗えるダウンジャケットに当てはめて考えるなら、洗うことよりも洗った後の干すことの方が大事だという点に気づくでしょう。翌年もふんわりとしたダウンジャケットになるかどうかは、すべて干し方にかかっているわけです。
そこで、ダウンジャケットを家で洗ったら、どのように干すのがいいのかという最も大事なポイントを知っておくことが求められます。
これを知っていれば、家庭で洗えるダウンジャケットはもちろん、ドライマークがついたダウンジャケットでさえも家で洗えるようになります。
ダウンジャケットは乾きにくいことを知ろう
他の洋服に比べて、ダウンジャケットは乾きにくいのが一番の特徴です。
もちろん、厚手の生地やデニムなども乾きにくいのですが、ダウンジャケットの乾きにくさは、ふんわり感を出すための素材として生地の中に羽毛が入っているという点が他の素材との一番の相違点です。
しかも、羽毛は生地の中全体に入れることが出来ないため、コートを作る生地部分は細かく縫い目が施され、マス目状になっていたり、分割されていたりするスタイルが多いのもダウンジャケットの特徴です。細かく分かれていればいるほど、しっかりと乾燥させないことには羽毛がふっくらしないのですが、マス目が小さいことによって風が通りにくく、なかなか羽毛が乾かないというデメリットにもなります。
クリーニングに出すと、強力な風を送る乾燥機があるため、一気に乾燥させてふんわり感を出すことが出来ますが、家庭ではそうした機械がないために、洗った後ふんわり感がなくなってしまったということになるわけです。
そのため、ダウンジャケットを家で洗うときは、洗った後しっかり乾かせるかを考えて洗うことが大事です。しばらくは晴天が続き、しかも風もあるというときに洗うのが、家庭で洗うベストタイミングといえます。
押さえておきたいポイント
ダウンジャケットを干すときは、できるだけ厚みのあるハンガーを選んでかけるようにします。
特に肩の部分に重みがかるため、ここが分厚く作られているハンガーがベストです。
天気がいい日を選ぶのは、曇りや雨の日に外に干しても、羽毛が湿気を摂りこんでしまうために一向に乾かないからですが、直射日光に当てるのは厳禁です。生地の傷みや変色を招く恐れがあるため、風通しのいいところでの陰干しが原則となります。
濡れた状態で形を整えるのはやめ、表面が乾いてきたら軽くほぐすように中の羽毛を叩きます。これを2~3日繰り返して徹底的に乾かすことによって、家庭で洗ってもダウンジャケットのふんわり感を取り戻せるでしょう。
ダウンジャケットは家で洗えないという定説が覆された今、洗うよりも干すことの方が大事だという知識を持てば、家で洗い、ふんわりときれいにすることが出来ます。このポイントを押さえることによって、もうクリーニングに出す必要はなくなりますので、ぜひマスターするのがお勧めです。