お気に入りの洋服を着て出かけていたのに、食事で選んだカレーを付けないように気を付けて食べるものの、気づいたらカレーのシミを付けてしまっていた経験は誰しも一度はあるものです。
また、小さなお子様をお持ちだと、カレーが大好物なお子様は多いものですから、カレーを夢中になって食べてこぼしてしまい、洋服にカレーが付いてしまうことは大人よりも頻繁にあります。
このカレーのシミ、洗濯機を回しただけでは簡単には落ちないのが大きな悩みです。
育ち盛りのお子様をお持ちなら、カレーのシミ抜きを是非知っておきたいもの。今回は、なかなか落ちないカレーのシミの自宅クリーニング方法をご紹介します。
カレーはどうして落としにくいの?
そもそもなぜあれほどカレーのシミは落ちにくいかご存知ですか。
カレーは、油性と水溶性でできているのですが、そのうち油が非常に多いからです。さらに、カレーにはクルクミン色素と呼ばれる黄色の色素が含まれており、これがシミを落ちにくくさせています。
クルクミン色素は洗剤と反応してしまう性質を持っており、洗濯をすると余計に落ちにくくさせてしまっているのです。油と、クルクミン色素が相まって頑固な汚れと化しているわけです。
カレーのシミの洗濯方法
前述の通り、カレーのシミは油です。例えば食器に付いた油汚れ、皆さんは何を使って落とされてますか。
当然ながら、答えは台所用の中性洗剤ですね。食器と同様に、衣服に付いたカレーの油汚れも、この台所用中性洗剤を使って落とせます。
シミの部分に中性洗剤を付け、ぬるま湯でこすり落とします。これを繰り返すだけでもある程度落とすことができるでしょう。
ただ、これでも落ちない場合は、酸素系漂白剤の出番です。
シミの部分に、酸素系漂白剤を付けて5分ほど放置しておき、その後ぬるま湯で優しくこすり洗いすると、それでだいたいは綺麗にシミが落とせます。
そのまま洗濯機で普通に洗濯をすれば、汚れは見えないくらいに綺麗な服に元どおりです。
クルクミン色素を落としやすくする秘訣
油分を台所用洗剤で落とせました。では、洗剤に反応して落ちにくくさせているクルクミン色素によるシミは、どのようにすればさらにしっかり落とすことができるのでしょうか。
それは、洗濯後の天日干しが解決してくれます。このクルクミン色素は、紫外線と反応して落ちやすくなる性質があります。
つまり太陽の紫外線をたっぷり浴びさせることが、落としやすくなる秘訣となるのです。
雨の日は天日干しができませんが、できればその後晴れた日に天日干しを行うようにしてください。
紫外線がクルクミン色素を分解して、シミを綺麗にします。
油が残った状態で、そのまま天日干しをすると、クルクミン色素と関係なく油による黄ばみが発生することになってしまいますので、天日干しをする前に、シミ抜きを台所用中性洗剤にて油汚れを落とし、洗濯をして干すことが重要です。
この天日干しの知恵は、元祖カレーの国、インドの人なら知っている常識と言われています。さすがはインド人の生活の知恵と言えますね。
外出時に付けてしまったカレーのシミの応急処置とは
外出先で衣服にカレーを付けてしまった場合、ある程度は落としておきたいものです。
時間が経てば経つほど、なかなかカレーの汚れは落ちにくくなってしまいます。そこで、外出時にカレーをこぼしてしまったら、まずティッシュなどでカレーの汚れを拭き取ります。
それから水を含ませたティッシュで叩いて汚れをティッシュにうつすようにします。後は乾いたティッシュで水分を吸い取れば大丈夫です。
なるべくシミを最小限にさせて、後は自宅で前述の台所用中性洗剤、酸素系漂白剤、天日干しの対策を施せば良いだけです。一つ注意する点として、ティッシュでカレーを拭き取る時は、こすっては絶対にいけません。
汚れが広がってしまうので、つまむようにして拭き取ると良いです。
また、飲食店で出されるおしぼりは、塩素系の漂白剤が使用されていることも多いです。
そのため、塩素系漂白剤の含まれたおしぼりで汚れ拭き取ると衣服が色落ちしてしまう可能性がありますので、念のためおしぼりの使用は避けた方が良いでしょう。
自宅で洗うことのできない衣服の場合はどうするか
上記の対処方法は、手洗いや自宅で洗濯機で洗濯できる衣類にカレーが付いてしまった時のケースです。
万が一、シルクなど、自宅では洗濯が不可能でクリーニングが必要な衣類の場合は、下手に上記の方法を用いないのが懸命です。
カレーのシミを取るために使う水分が衣服に付くだけでも、それが輪ジミの原因となってしまうため、さらなるシミとなる可能性があり、避けた方が良いのです。
自宅で洗えないものはあえてそのまま処置をせずに、プロのクリーニングにお任せするように心がけましょう。
カレーの色素は天日干しで色素は取れるものの、前述の通り、放っておけば油汚れによる別のシミが残ることになり、大変厄介なシミになります。
取れたと思っても翌年の衣替えで衣服を開けてみた時、取れていたはずのシミがさらなる黄ばみとして現れることもあります。
できるだけカレーのシミは放置せず、できるだけ早めに油汚れだけでも落とすこと、そして天日干しで色素を分解すればカレーのシミなんてもう怖くありません。