高級なカシミヤニットのシミ抜きやお手入れについて

ニット・セーター

カシミヤと聞くと暖かいとか、高級、キレイといったイメージはあると思いますが、カシミヤとは具体的にどんなものなのかご存知でしょうか。カシミヤは主にインド北部のカシミール地方で生産されたことから、その名がつきましたが、動物のヤギからとれる毛糸の1つです。

現在ではカシミヤヤギの毛糸はインドだけでなく、中国北西部や内モンゴルや外モンゴル、イランなどで生産されるようになりました。カシミヤの繊維はとても細くしなやかなので、肌触りが良く柔らかな気心地が魅力です。

きめ細やかで肌への刺激の少ない繊維なので、一般的な毛糸のセーターやカーディガンではチクチクするといった方にも選ばれています。繊維表面には突起の少ないキューティクルが鱗状に覆っており、突起が少ないことで、表面がほぼフラットな状態となります。

このことが光を真っ直ぐに反射させるため、カシミヤのニットには自然な光沢が生まれるのも特徴的です。カシミヤにはヤギの毛に含まれる油脂が残っており、油脂が繊維の表面を覆うことで独特の風合いもでることが高級感を高めています。

デリケートな素材ゆえにお手入れが大切


動物の毛の成分や風合いは糸になってからでも生きているので、こまめにブラッシングをしてあげることが大切です。
着用した後に柔らかい洋服ブラシを使って、毛並みに沿ってブラッシングをすることで、繊維に付着した汚れや埃を取り除き、余計なシミを防ぐことにも繋がります。

また、カシミヤは撥水性があまりないため、水分が付着してしまうとシミの原因になります。
雨で濡れたときはもちろん、ジュースやコーヒーなどの液体をこぼしてしまったという際はなるべく早めにふき取り、乾いた後ブラッシングをするようにしましょう。なお、ブラッシングに用いるブラシの素材にも注意してください。

合成繊維のブラシを使うと静電気が起こりやすく、繊維や生地の裂傷をもたらし、ほこりや汚れ、シミなどの原因になりかねません。豚毛や馬毛など柔らかな天然繊維のブラシを用意しましょう。

毎日の着用は避ける


お洒落を楽しみたい方は何着もニットなどを持っているとは思いますが、いくら気に入っても毎日着続けるのはNGです。体の湿気などがこもってしまったり、型崩れの原因になるほか、生地の表面が摩擦されて毛玉ができやすくなります。
気に入っている場合も1日着用したら1日休むといった形で着るようにすると良いでしょう。

シミができた場合の対応


気づいたらカシミヤにシミができていたという場合は注意しなければなりません。シミから虫食いが発生してしまう場合があり、シミどころか穴が空く誘因になるからです。
シミを見つけた際には、まずは柔らかなタオルに薄めた洗剤を付け、シミの部分に押し当てるように拭き取ります。そのあと、洗剤成分を残さないよう、水に浸したタオルで洗剤をしっかりと拭き取りましょう。シミがとれたようなら、優しくブラッシングをし、しっかり乾くまで室内干しをしてください。

シミができたらすぐにクリーニングに出して良い?


シミができた場合には、まずはご家庭でのシミ抜きにチャレンジするのがおすすめです。
タオルと洗剤という、たいていのご家庭にある道具でシミ抜きができますから難しいことはありません。ご自身でチャレンジして、どうしてもシミが抜けないときにはクリーニング店に相談してみましょう。

なぜ、ご家庭でのケアが優先でクリーニング店はご家庭でのシミ抜きができなかった場合の候補となるかというと、カシミヤ特有の風合いがクリーニングによって徐々に失われてしまうためです。

そのため、カシミヤのクリーニングをするのは、シーズン終わりに1回などにとどめ、なるべくご自宅でお手入れするのがおすすめです。カシミヤ繊維の表面にはヤギの毛に含まれている天然の油脂が含まれていますが、それがクリーニングや洗濯による水洗いをすることで油脂分が次第に流れ出てしまいます。

そうするとカシミヤ特有の風合いや光沢感が少しずつ失われてしまうので、シミや汚れが気になる度のクリーニングはおすすめできません。
ご家庭でもいくら手洗いで優しいからとジャブジャブと頻繁に洗濯をすれば、油脂が流れ落ちて劣化が進んでしまうので気を付けましょう。クリーニングが必要な場合には、カシミヤ衣類のクリーニング実績が豊富で信頼できる腕の高いクリーニング店を探すのがおすすめです。


カシミヤはデリケートな素材なので、度々のクリーニングや頻繁な水洗いはおすすめできません。カシミヤに含まれるヤギの油脂が洗い流され、独特の風合いが失われてしまうためです。

シミがついた場合には濡らしたタオルに洗剤を染み込ませて、軽く拭き取るように吸着し、洗剤成分が残らないよう濡れたタオルでよく拭きとった後、優しくブラッシングをかけてから乾かすようにしましょう。

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