シミ汚れとひとくちに言っても、汚れによって性質が異なっています。シミ汚れには大きく分けると、油脂や皮脂、食べこぼしや排気ガスなどで生じる油性汚れや、大気中に舞う埃や砂、泥などによってでき、時間が経つと固形状となる不溶性汚れ、そして砂糖や飲料、果汁や汗など、水で落とすことが可能な汚れである水溶性汚れの3つがあります。紅茶のシミはこの中の水溶性汚れに該当し、水で落とすことができる汚れです。水溶性の汚れは水に溶けやすいのが最大の特徴で、対処が早ければ水だけでも洗い落とすことができます。
気付いたら早めの対処が必要
紅茶のシミは水溶性で、水で落とせる汚れであるとはいいながらも、時間が経てば落としにくくなってしまいます。そこでシミを見つけたときには、早めに汚れを落とすことが肝心です。紅茶のシミは時間が経過すると酸化を起こし、それが原因で水溶性のシミから漂白が必要なシミに変化するという性質を持っています。いったん酸化してしまうと、もはや水だけで落とすことはできません。そのため、時間が経つと紅茶のシミは、漂白剤を使用しなければ落ちない状態に変わってしまうのです。そうなる前に、気付いたら早めに対処するよう心がけましょう。
キッチンにあるものが活躍
紅茶のシミ抜きを簡単に行うのに最適なのが、おそらくどの家庭にもあると思われる台所用洗剤です。食器などを洗うときに使用する中性洗剤で、日常的に使用することが多い、まさにキッチンの必須アイテムと言っても良いでしょう。この台所用洗剤を使えば、紅茶のシミに垂らすだけで汚れを簡単に落とすことができます。まずシミの部分に直接台所用洗剤をかける前に、他の部分に汚れが移らないよう、シミの裏側にタオルなどを当てて保護します。下準備が完了した後、できてしまったシミの箇所に、直接台所用洗剤を垂らして指で馴染ませていきます。指で揉み洗いすればより一層汚れ落ちが良くなりますが、シワができやすい衣類や、揉み洗いすると生地を傷めてしまう恐れがあるデリケートな衣類の場合は、揉み洗いはやめておいたほうが良いでしょう。
その代わりに歯ブラシなどで軽くこすり洗いをしたり、綿棒でとんとんと叩き洗いをする方法がおすすめです。揉み洗いが可能なときでも、ゴシゴシと強い力を与えるとシミ汚れを広げてしまうことになりますので、力の入れすぎには注意が必要です。洗剤がシミと馴染んで汚れが浮き上がったら、水ですすいで洗い流してください。このあとはいつも通りに洗濯できますので、完全に洗剤を洗い流す必要はありません。洗濯機でさらに念入りに汚れを落とすために、節約モードではなく標準モードでの洗濯をおすすめします。洗い上がりの具合をチェックして、もしも汚れが残っている場合には、再度同じ手順で汚れ落としを行ってください。
デリケートな素材の場合の注意点
紅茶のシミ汚れを落とす際、衣類の素材によっては台所洗剤を直接かけることができないものもあります。綿やポリエステルといった素材は直接洗剤をかけられますが、それ以外の素材の場合は直接洗剤をかけると衣類を傷めることも考えられます。そのため洗剤をかける前に、使用されている素材の確認を行うことが大切です。綿やポリエステル以外の素材の場合は、台所用洗剤をそのままかけるのではなく、水で希釈してからシミの部分に垂らしましょう。あらかじめ水で汚れ部分を濡らしておいた状態にして、希釈した洗剤をかけたほうがシミ汚れとの馴染みが良くなります。洗剤を直接かけることができない素材は、前述したとおりデリケートな素材となりますので、揉み洗いすることができません。そんなとき衣類の傷みを極力避けるため、シミ抜き棒を使用してみましょう。シミ抜き棒で軽くトントンと叩けば広い範囲のシミ抜きができますので、大きなシミ汚れを早く落とすことができます。他の方舗としては、歯ブラシでの軽いこすり洗いも効果がありますし、小さいシミなら綿棒でも十分汚れを落とすことが可能です。シミ抜き棒で汚れの叩き落としをする場合は、下になる生地が濡れないようにすることが大切ですので、タオルを裏側に当ててからくれぐれも優しく叩き洗いをするように気を付けてください。
紅茶のシミを見つけたら、できるだけ早い時点で台所用洗剤を使うことによって家庭でのシミ抜きが可能です。水溶性汚れである紅茶のシミは、早ければ早いほど落としやすくなりますので、外出先ですぐに洗えないときなどはとりあえずシミの部分に水を付け、ハンカチなどで軽く押し洗いしておきましょう。事前に応急処置を施しておくことで、たとえ時間が経過したとしても台所用洗剤でシミ抜きすることができます。一度で落ちない汚れになった場合でも、何度かシミ抜きを繰り返せば、次第にシミが薄くなっていくに違いありません。


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