大人である私たちの衣服にサビが付着することはそうある話でもないのですが、特にお子様を持つご家庭だと、子供の服にサビがついていることがあります。ブランコなど遊具はどうしても年季の入ったものになると鉄サビで茶色くなっている箇所が多く、鎖の部分やボルトの部分のサビが手や衣服に付着するしてサビが衣類に何気なくついてしまうというケースです。また、大人であっても自転車に乗る方ならば、サドルなどについたサビが衣類についてしまうというケースも少なくありません。だいたい遊具のサビもサドルのサビも鉄サビと呼ばれる赤茶色のサビになりますが、このサビの汚れは非常にしつこく取れにくい汚れとしても代表的なものです。クリーニングに出してしまいたいところですが、お子様のつけてきた汚れであれば、汚れる度にクリーニングにお世話になるのも大変です。サビによる汚れは、洗濯しただけでは汚れが落としきれず、洗濯前の下処理を行うことで随分落ちやすくなります。ここではクリーニング前のある下処理を施すことで、サビ落としができる自己解決方法をご紹介していきます。
サビの汚れには、酸性が効果的
サビは、金属の酸化物であり、金属の酸化物は、酸と反応することで水溶性の物質ができ、サビを溶かすことができるのです。自宅で用意でき、比較的安全に使える酸性のものといえば、クエン酸です。40度くらいのお湯に対して5パーセント程度のクエン酸を混ぜて、このクエン酸液を直接サビのシミのところへ綿棒などを使って染み込ませます。酸性の力で、サビを溶かし、後はきれいにクエン酸液を水でしっかり洗い流してから洗濯機で洗います。クエン酸が自宅にない場合は、レモンにもクエン酸が豊富に含まれていることでも有名ですから、レモンでも代用は可能です。しかし、レモンを使用する場合は、シミ抜きをした後は、洗濯前のすすぎをしっかり行わないとレモンによるシミができてしまう可能性があるので、レモンの汁をしっかりすすいでから洗濯するよう注意が必要です。
頑固なサビ汚れに重曹をプラスしよう
もし、クエン酸の力でサビを溶かすことができなかった場合は、先ほどのクエン酸液に重曹をクエン酸と同量をプラスして混ぜ合わせ、クエン酸液プラス重曹の溶剤を作りましょう。クエン酸は前述の通り、サビを溶かす性質がありますが、重曹はサビを削り落とすという性質があります。つまり、研磨剤のような役目を果たすということです。しかも、クエン酸と重曹を合わせると二酸化炭素の泡が発生してその泡で汚れを浮き上がらせて落とす効果も期待できます。是非、なかなか落ちない頑固かつ最強のサビに対抗したい場合は、クエン酸プラス重曹液を作って、サビ汚れに対抗しましょう。
クエン酸も重曹もない時の対処方法
もちろんどのご家庭にもクエン酸や重曹があるというわけではありません。レモンもある家庭ばかりではないでしょう。ここで、もしクエン酸や重曹、レモンがないご家庭でもこれならあるというものを代用してサビ汚れに対抗する方法をご紹介します。家庭にある酸性のもので代表的なもので、ズバリ酢です。酢と台所用の中性洗剤を1:1で混ぜ合わせて、酢プラス台所用中性洗剤液を作ります。衣類のサビがついた部分を若干水で濡らしてから、酢プラス台所用中性洗剤液を垂らして、歯ブラシなどで叩いて汚れを浮き上がらせてみてください。その後水ですすぎ、もしすすいだ後もサビ汚れが残っていれば、また同じことを繰り返してみると、汚れがどんどん薄くなっていきます。汚れが目立たなくなったら、洗濯機を回しましょう。
白物の衣類であれば還元系漂白剤できれいに落とせる
色物には使えませんが、白物の衣類であれば、還元系漂白剤を使用することで、きれいにサビ落としができるようになります。還元系漂白剤であれば、鉄サビによう黄ばみなどを落とすことができる性質を持っていますので、試してみると良いです。還元系漂白剤は、衣類に関係なく、鉄サビ落としに大変効果的ですので、白物衣類にはおススメです。
いかがでしたでしょうか。なかなか落ちにくいサビの汚れも家庭にあるものや、薬局やスーパーなどで手に入るレベルのものでクリーニングなしでも随分ときれいに落とすことができます。ただし、あまりにやりすぎたりこすりすぎるなどすると生地を傷めてしまう原因にもありますので、注意も必要です。万が一これらの方法でどうしても落ちなかった時こそ、クリーニング店の出番です。
クリーニング店では、サビを落とす専用の溶剤を持っているため、簡単に落としてもらうことができます。ご自身でできないレベルのものであれば、是非プロの手に任せましょう。汚れは全て時間勝負です。汚れにいち早く気づいて、なるべく早くサビ汚れに対処するように心がけましょう。そうすることである程度のサビ汚れは薄く、または落とすことができます。